ハーモニーOSは他とどう違う?ファーウェイの狙う世界インフラ

スマホ

ファーウェイが自らスマホ用のOS「ハーモニーOS」をリリースする予定を発表。

現在はアンドロイドOSを使用するが、今後ハーモニーOSをファーウェイ開発のスマホ端末に組み込むという。

いったいこのハーモニーOSは従来のアンドロイドOSとどう違うのか?そしてOSを作ったファーウェイを狙いはどこにあるのか?私なりに解説していきたいと思います。



輸出規制でアンドロイドOSの利用が不透明なファーウェイ

アメリカと中国の貿易対立も生じ、また産業スパイなどの問題もあり、今後アンドロイドOSがファーウェイのスマホ本体に組み込めないことがニュースとなり、ファーウェイユーザーに衝撃が走りました。

しかし、ファーウェイはそれをチャンスに替えるかのごとく、独自OSを発表。

いったいその独自OSハーモニーOSとはどんなものだろうか?

 

ハーモニーOSハーモニーの特徴

ハーモニーOSの大きな特徴は、なんといっても「マイクロカーネル」という方式。

従来のアンドロイドOSなどは逆にモノリシックカーネルと呼ばれている。

この違いをちょっと分かりやすく説明したいと思う。

 

マクロカーネルとモノリシックカーネルをサッカーに例えた

これらはどんな方式かというと、わかりやすいのがサッカーの例え。

<マイクロカーネル>
OS自身は監督の役割。ポジション決め、戦略、指示を出す
他の機能部分に関しては選手たちが個人個人の能力で発揮する

<モノリシックカーネル>
OS自身が監督兼全ポジションのプレイヤー。
すべてを司る。

モノシックカーネルは自分が監督でプレイヤーなので、行動の対処が速いことが挙げられる。

でも相手のスライディングで足を怪我したら出場できない。つまりはOSの一部が壊れたら、もうダメな可能性が高い。

逆にマイクロカーネルは、チームプレイでスマホを機能させていく。

そのため、一部怪我したプレイヤーがいても、そのポジションだけ開けておき、ケガの復帰を待つことが可能だし、10人でプレイを発揮できる。また、チームプレイにより、一人だけのスピードにはかなわないが、それでも連携プレイで速さを実現できる。

いわば、故障のリスクを分散させ、なおかつOS速さも実現しようとするものだ。

これにより、ハーモニーOSは今後不具合リスクを軽減させながらも、速い処理も実現できるようになる。

また、スマホ以外にも、

・スマートスピーカー
・スマートウォッチ
・ワイヤレスイヤホン
・自動車

などあらゆるIOTを実現させるOSの役割も担っている。

さらには、オープンソースによるOSの無料公開なので、ファーウェイだけにとどまらず、世界のエンジニアが修正、改良を加えられるため、よりレベルの高いOSに育つ。

つまりは、ファーウェイだけの技術依存でなくても良いのだ。

これは世界的なOSづくりを目指す上では、大切なことだ。

ウェブ言語の世界でもPHPやRubyはオープンソースで徐々に進化し、普及してきた。

アンドロイドも一緒である。

しかもハーモニーOSは、アンドロイドとの互換性も持たせるというから、アプリ開発などは比較的簡単かもしれない。

そういった狙いがハーモニーOSにはある。



ファーウェイがハーモニーOSで狙うのは世界インフラの支配

ファーウェイはなぜハーモニーOSを作るのだろうか?

公式にはアンドロイドOSに対抗するためではないと発表しているものの、アンドロイドOSが今後使えなくなる可能性を考えて作ったのは納得するが、ファーウェイはそれだけの考えではないと思う。

ファーウェイはスマホのシェアが世界第3位。

1位はサムスン、2位はアップルである。

サムスンはOS自体はないが、アップルは独自のiOS、MacOSを持つ。

OSを持つことは、スマホを選ぶ要素の一つに大きく関わる。

マックは自社のものにしかOSを提供していないが、マイクロソフトはPCメーカー各社にOSをを提供することで一気にOSシェアを高めてきた。

もし、ファーウェイのハーモニーOSの評価が高ければ、世界1位でOSを持たないサムスンも採用するかもしれない。

そうなればファーウェイの認知度は一気に広まる。

恐らくハーモニーOSはアンドロイドOSのように無償提供だと思うが、OSを提供することで、ハーモニー関連のアプリのプラットフォームを端末に入れるライセンス料などの収入も見込める可能性がある。

アンドロイドOSも端末メーカーからライセンス料をもらうことで、Googoleプレイなどの公式アプリを入れることができる仕組みだ。

そうなれば、ファーウェイが独自のプラットフォームを作り出し、公式アプリを作ることで、端末以外の収入も得られるようになるかもしれないのだ。

インフラを牛耳るとビジネスの利益を大きく伸ばすことができるのだ。

端末のシェアだけでなく、関連する収入ポイントを作れるのは大きい。

以上、ハーモニーOSとファーウェイがOSで狙うところを解説してきた。

実際のハーモニーOSは既にスマートテレビに搭載されて販売されているが、2020年には2.0をリリース予定。現在はアンドロイドOS搭載のままスマホを出荷しているが、ハーモニーOSは年内~2020年の2.0搭載の時期からスマホが発売されるかもしれない。

どんなOSになるのかこれから楽しみである。

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